不動産会社向けのテックやDXサービスが多く存在する中、「どれを使えばいいかわからない」というお悩みがよく聞かれます。ナレッジベースでは、これまで各サービスのWEBサイトでしか見られなかった導入事例について、サービスの垣根を超えてご紹介します。
第一回は、不動産の売買・賃貸事例データを閲覧できる「不動産データクラウド」を導入した株式会社ベロフ 代表取締役の窪田さんにお話を聞きました。
導入サービス
サービス資料DL
インタビュー企業
会社名 | 株式会社ベロフ(Belloff)
代表取締役 窪田 天馬様 |
所在地 | 東京都渋谷区道玄坂 |
事業内容 | 不動産の売買・仲介・賃貸・管理、不動産に関するコンサルティングほか |
株式会社ベロフ(Belloff)HP
「住まいの価値を高め、すべての人に豊かさを」株式会社ベロフ
ー まず初めに貴社の事業概要についてお聞かせください
当社は総合不動産業として、メインは不動産の買取業、次に不動産の仲介業の2つを主軸としている会社です。2021年の創業当初は3人で始めた会社ですが、今では8人まで増えました。今後も新しい仲間が入る予定で、徐々に規模拡大しながら事業運営をしています。
もともと私は大手不動産会社で営業マンとして11年ほど働いていました。その頃は仲介を手掛けていたため、仲介業の流れや課題は一通り理解しています。そのうえで不動産の買取再販にチャレンジしたい、と考えて作った会社がベロフです。「仲介もわかる買取業者」という強みを活かして、デザイン性の高いリフォームで不動産に新たな価値を付けることにこだわっています。
ー コロナ禍の中で起業されたのですね。何か影響はありましたか。
コロナ禍の前後でそれほど大きな変化はありませんでした。不動産市場自体、コロナ禍を受けてもそれほど落ち込みはなかった印象です。これからはコロナ禍の規制が明けて人の動きが活発になる可能性が高いですから、いいタイミングで波に乗れた気がしています。
「不動産データクラウド」導入前の課題
ー 不動産データクラウドを導入する以前は、どんな課題を抱えていましたか。
もともと不動産取引のデータベースはとてもクローズドな状況で、過去の事例を調べるのが難しい世界です。そんな中で物件を買い取ってエンドユーザーに販売する際に、「この物件はいくらで売れるんだろう」という出口の感覚がわからないという悩みがありました。
ー 過去に販売された物件の事例を知りたいと思っても、データが少なかったのですね。不動産データクラウドがなかった頃はどうやって事例を調査していたのですか。
大手企業であれば自社のデータベースを持っていますが、私たちのような中小企業は他の不動産会社に聞く方法しかありません。ですから、物件があるエリアで地域密着型でやっている不動産業者さんに1件ずつ電話でヒアリングしていました。確実に契約できる物件かどうかもわからないのに、業者さんに電話して相手の時間を割いていただくというのが申し訳ない気持ちでした。
「不動産データクラウド」導入を決めた理由
ー 不動産データクラウドの導入の決め手は何でしたか。
物件の出口の金額をつかむ上でとても役に立つと感じたのが決め手でした。データが豊富でエリアのカバー範囲が広い点も魅力ですね。物件の査定をするのが私たちの一番の業務ですが、その仕事をするときは必ず最初に不動産データクラウドの情報を見ます。
例えば、不動産業に長く携わっていれば「渋谷区本町の物件はこれくらいで売れる」という肌感覚が身につきますが、具体的にいくらで販売されているかというデータがすぐに見られるのは便利です。当社は創業後の数年間は都内の物件に限定して扱っていましたが、最近では東京近郊の一都三県にエリアを広げていきたいと考え、不動産データクラウドを使って情報収集の幅を広げています。
ー 会社の成長とともに不動産データクラウドを使うエリアも拡大していけるのは良いですね。
そうですね、欲しいエリアの事例はたいていデータがあるので助かっています。また、不動産データクラウドはコストの面でも他社に比べて手頃というのも大きいです。新しく会社をスタートするときなど、手元に過去のデータがない場合はかなり使いやすいサービスだと思います。
「不動産データクラウド」導入によって得られた効果
ー 不動産データクラウドを導入して良かったと思う部分について教えてください。
物件のおおよその相場をつかむには適したサービスだと思いますね。もちろん不動産データクラウドの情報がすべてではなく、詳細の部分については実際に地元の不動産業者さんに確認する作業を今でも続けています。ただ、今まではゼロから電話をして聞かなければいけなかった情報が、パッと画面で確認できるようになったのは大きな進歩です。
ー 仕事の生産性向上や、お客様に向き合う時間が増えることにもつながりましたか。
はい。これまでアナログでやっていた作業ももちろん大事ですが、私たちが毎日行う査定の仕事が少し楽になりました。外出中の営業マンも手軽に検索して物件の概要を把握できますし、作業時間の短縮につながっています。
「不動産データクラウド」のおすすめポイント
ー 不動産データクラウドの「ここが特におすすめ!」というポイントをお聞かせください。
不動産会社だけが見られるレインズ(REINS)というシステムがありますが、特に業者が売主になっている物件の成約データについては、レインズには掲載されないことが多いです。ですから結局、業者がいくらで売ったのかはわかりません。その点、不動産データクラウドはおおよその金額が載っていますし、実際に物件が売れた場合もしっかりデータに反映されるので、ありがたいですね。当社は物件を仕入れて販売するフローで動いている会社ですから、販売するときの金額が明確化されるのはプラスの部分だと感じます。
「不動産データクラウド」に期待すること、会社の未来について
ー 不動産データクラウドに今後期待することは何ですか。
より精度が上がって、地形や物件の詳細がわかるようになるといいと思います。現状ではどんな地形の土地が売れたのかわからず、価格から類推するしかありません。今後は、借地・旗竿地・整形地という程度の情報でもいいので入れてもらえると助かります。物件についても同じで、この物件はなぜ安いのかと想像を働かせなければいけません。今でもかなり助かってはいますが、地形を掲載するとか、マンションであれば間取り図や部屋の位置も掲載するなど、具体的な情報まで提供してくれると、なお良くなると思います。
ー 最後に、御社のこれからの展望についてお聞かせください。
不動産業界はまだまだアナログが主流で、多くの人が「もうちょっと便利にならないかな」と感じていると思います。昔から変わらないことで良い部分も確かにありますが、これからの社会でもアナログを続けていると、時代に取り残されかねません。当社のオフィスはフリーアドレスの導入等、トレンドを取り入れているのですが、社員たちにもますますIT化を促進したいと考えています。もっとスマートな営業、スマートな事業展開ができるよう、ITの力を借りて少しずつ当社も進化を続けたいと思います。