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LIFULL HOME’S「東京23区の中古億ション」調査

LIFULL HOME’S「東京23区の中古億ション」調査!港区・千代田区で中古マンションの半数以上が「億ション」に! 首都圏の「中古億ションへの問合せ数が多い駅ランキング」も発表

株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」は、物件価格の高騰が続く中、都市部で増加している1億円超の中古マンション、いわゆる「中古億ション」について調査結果を発表しました。かつては富裕層向けのイメージが強かった「億ション」ですが、新築だけでなく中古市場でもその存在感が拡大しています。

東京23区の「中古億ション」割合、10年間で15倍以上に

同調査によると、東京23区の中古マンションのうち、1億円を超える物件の割合は2015年には1.0%でしたが、2020年には3.4%、2025年(1〜6月)には15.5%に上昇しました。これは流通する中古マンションのおよそ7戸に1戸が「億ション」という計算になります。

区別ランキング 港区・千代田区・中央区が上位

2025年(1〜6月)の「中古億ション」割合を区別に集計したところ、1位は港区(54.5%)、2位は千代田区(51.2%)、3位は中央区(44.7%)となり、上位3区では中古マンションのほぼ半数が億ションという結果になりました。
一方、23区のうち10区では割合が5%未満にとどまっており、都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区)を中心に高い割合が見られます。

ヒートマップによる推移を見ると、2015年時点で5%を超えていたのは港区(5.7%)、千代田区(8.0%)、渋谷区(6.7%)のみでしたが、2020年には港区(22.0%)、千代田区(19.9%)、渋谷区(15.1%)、中央区(6.2%)と上昇傾向に。そして2025年上半期には千代田区と港区で初めて50%を超えるなど、価格帯の高騰が鮮明になっています。

首都圏「中古億ション」問合せ数、駅別1位は勝どき

2019年〜2025年6月における首都圏の中古億ションへの問合せ数を駅別に集計した結果、1位は「勝どき」、2位は「白金高輪」、3位は「広尾」となりました。なお、集計対象は東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県ですが、TOP20は全て東京23区内の駅が占めています。


まとめ

今回の調査から、億ションが「特別な存在」から「都市部では珍しくない存在」へと変化しつつあることが明らかになりました。背景には新築価格の高騰、富裕層や外国人投資家の需要増加、そして都心部の供給不足が影響していると考えられます。特に港区・千代田区では半数以上が1億円超という水準に達しており、不動産市場の二極化が一層進む可能性があります。

今後は、こうした高額物件の市場動向だけでなく、都心から離れたエリアでの価格変動や需要の動きにも注目していく必要があるでしょう。

LIFULL HOME’S総研 中山 登志朗 氏コメント

港区&千代田区は中古マンションの過半が“中古億ション”として流通する超高額市場に変化

コロナ明け以降、円安に伴う資材価格の上昇、2024年からスタートした残業規制を契機とした建設業・運輸業の人件費の高騰、そして都心エリアの地価上昇によって新築マンション価格の高騰が続いています。LIFULL HOME’Sの調査では2022年から3年連続して東京23区の新築マンション価格が平均で1億円を突破していますが、新築マンションの価格高騰に連動して都心周辺の中古マンション価格も上昇の一途であり、それに応じて中古億ションの問合せ数も急激に増加しています。

2015年にわずか1.0%だった東京23区の中古億ションの掲載数シェアも、2025年(1-6月)には15.5%と10年足らずの間に15倍超に急増しており、なかでも都心に位置する港区は54.5%、千代田区でも51.2%と過半を超え、中央区でも44.7%に達しています。新築マンション価格が今後もさらに上昇する前提で、中古億ションの掲載数・シェアも拡大するものと考えられます。都心一等地に所在する物件であれば、築年数が30年もしくは40年を超えても億ションとして売り出されるケースが増えており、まさに“局地バブル”を示す現象として捉えるべき状況になっています。

同時に、同じ東京23区でも「足立区」では中古億ションの掲載が皆無で(過去2019年と2020年に各1戸あり)、江戸川区や葛飾区、板橋区など城北・城東エリアにおいて中古億ションは極めて少ないことも浮き彫りになりました。中古億ションは都心周辺のごく一部に集中しており、ヒートマップに示した通り“地域偏在”しています。駅別の問合せランキングでも、上位20駅のうち港区が10駅と圧倒的に多く、中央区と渋谷区が3駅ずつ、品川区が2駅、千代田区と江東区が1駅ずつという構成で、都心から湾岸エリアにかけて中古億ションが分布している実態が明らかになりました。

なお、2025年(1-6月)の東京都の中古億ションのうち99.1%が東京23区であり、東京都下は0.9%に留まっていますが、例えば神奈川県では横浜市中心部の中区&西区に中古億ションの掲載実績が集中していることから、今後は築年数が経過しても価格が高止まりする「実需+投資・投機エリア」、築年数に応じて価格が徐々に下落する「実需中心エリア」、築年数に関わらず「安価に流通するエリア」に分化するものと考えられます。

プロフィール

LIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリスト

中山 登志朗(なかやま としあき)

出版社を経て、 1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。2014年9月にLIFULL HOME’S総研副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都などの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

PR TIMES

※画像参照:PR TIMES

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