【建築士が算出】戸建ての修繕費、5年で約1.4倍に!“30年で約1,200万円”の現実―戸建てにも必要な「修繕積立」
<ニュース概要>
戸建て修繕費が5年で約1.4倍に上昇 2026年版試算で明らかに
個人向け総合不動産コンサルティングやホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う「不動産の達人」株式会社さくら事務所は、2026年版の戸建て住宅における修繕費試算を公表しました。
今回の試算では、一般的な木造戸建住宅(延床面積約35坪)を想定し、築後30年間に必要とされる修繕費を算出。その結果、30年間の累計修繕費は約1,193万円となり、5年前の試算(約876万円)と比べて約1.4倍に増加していることが明らかになりました。

建築資材・人件費高騰が背景に
修繕費増加の背景には、建築資材価格の上昇や人件費の高騰、職人不足など、近年の建築業界全体のコスト上昇があります。
特に、外壁や屋根といった外装工事、防水関連工事などの主要な修繕項目では、おおむね10%前後の価格上昇が確認されています。
年間・月額に換算するとマンション並みの水準
今回の30年累計1,193万円を換算すると、
- 年間平均:約40万円
- 月額換算:約3.3万円(約280円/㎡)
となり、マンションの修繕積立金と比較しても大きな差はない水準であるとしています。
ただし、マンションとは異なり、戸建住宅には修繕積立金制度が存在しません。そのため、「必要になったときに修繕すればよい」と考えがちですが、計画的な備えをしなければ、将来的に家計への負担が一気に重くなるリスクがあります。
中古戸建てでは修繕リスクの見極めが重要
今回の試算は、あくまで予防的なメンテナンスを前提としたものです。一方で、中古戸建住宅の場合、以下のようなリスクも指摘されています。
- 雨漏りなどの不具合が進行している場合、修繕費が数百万円から1,000万円を超える可能性がある
- 契約後に不具合が発覚した場合、修繕費が購入者負担となるケースが少なくない
こうしたリスクを避けるためには、
- 築年数ごとの修繕費の目安を把握すること
- 住宅診断(ホームインスペクション)で建物の状態を事前に確認すること
が、将来の家計リスクを抑える重要なポイントになるとしています。
中古一戸建て住宅診断の情報
中古一戸建て向けの住宅診断(ホームインスペクション)の詳細は、さくら事務所の公式サイトで公開されています。
https://www.sakurajimusyo.com/expert/tatemono-tyousa-ck.php
まとめ
今回の試算結果は、「戸建ては維持費が安い」という従来のイメージを見直す必要性を示しているといえます。
住宅ローン金利や生活費の上昇が続く中、修繕費を想定外の出費にしてしまうと、将来の家計に大きな影響を及ぼしかねません。
特に戸建住宅は、マンションのように自動的に積み立てられる仕組みがない分、購入時点から長期的な修繕費を前提とした資金計画が重要になります。
中古住宅を検討する場合には、価格だけで判断せず、建物の状態や将来の修繕コストまで含めて総合的に判断する姿勢が、後悔しない住まい選びにつながると考えられます。



















