7割以上が災害に不安を感じるも、「窓の火災対策」は盲点

2025.08.20
調査

7割以上が災害に不安を感じるも、「窓の火災対策」は盲点〜首都直下地震「死者の7割が火災死」の想定、8割が認知せず〜

＜ニュース概要＞

日本電気硝子株式会社は、9月1日の「防災の日」を前に、全国の20代〜60代の男女600名を対象に防災意識に関する調査を実施しました。その結果、多くの人が「地震」をはじめとする災害リスクに不安を抱えている一方で、災害後に深刻な被害をもたらす“火災”への備えが十分ではない現状が浮き彫りになりました。

特に、内閣府が公表している「首都直下地震の死者の約7割は火災による」という想定を、8割以上（84.8％）が知らなかったという事実は、災害リスクへの理解に大きなギャップがあることを示しています。

調査では、火災時に窓ガラスが割れることで被害が拡大する恐れがあるという事実についても、7割超（75.5％）が「知らなかった」または「詳しくは知らなかった」と回答しました。災害後の火災において、窓ガラスの破損が被害を大きくする可能性があるにもかかわらず、その理解は十分に浸透していない現状が浮き彫りとなっています。

主な調査結果

首都直下地震の死者の約7割が火災によるとの内閣府想定を「知らなかった／詳しく知らなかった」と答えた人は84.8％。
火災時に窓ガラスが割れることで被害が拡大するリスクを「詳しく認識していなかった」人は75.5％。
災害対策として「防火対策」を行っている人はわずか5.8％。一方で、3割以上（35.0％）は「災害対策を特にしていない」と回答。
住宅購入・賃貸時に「窓の防火性能を確認していない」人は47.7％。
「網入りガラスは熱に強い」と誤解している人が47.7％。

災害への不安と備えの実態

災害リスクに対する不安を尋ねたところ、7割以上（70.2％）が「不安を感じている」と回答。その中でも「地震」への危機感が突出し、9割超（90.3％）が懸念を示しました。

一方で、家庭での防災対策は「防災バッグや備蓄品の準備」（39.7％）や「家具の固定」（28.3％）といった“逃げる準備”に偏っており、火災を想定した備えをしている人は5.8％にとどまりました。

住まい選びの盲点「窓の防火性能」

住宅購入や賃貸契約時に「窓の防火性能を確認したか」という質問には、約半数（47.7％）が「確認していない」と回答。理由として「考えたことがなかった」（46.5％）、「賃貸なので選べないと思った」（21.3％）などが挙げられました。

また、調査では「網入りガラス＝熱に強い」という誤解も約半数で見られました。実際には網入りガラスは熱による「熱割れ」が発生しやすく、誤認が防火行動を妨げる可能性があります。

日本電気硝子の耐熱結晶化ガラス「ファイアライト®」

こうした課題に対し、日本電気硝子は耐熱結晶化ガラス「ファイアライト®」を展開しています。同製品は熱膨張係数がほぼゼロで、800度の加熱状態から急冷しても割れない高い耐熱衝撃性を持ち、火災時の高温や消火活動による急冷にも耐えられる性能を備えています。東京消防庁の火災実験にも採用され、米国UL規格にも適合しており、国内外で高い防火性能が実証されています。

熱衝撃に強い「ファイアライト®」

調査概要

調査対象：20歳〜69歳の男女
調査方法：インターネット調査
調査日：2025年7月23日（水）
有効回答数：600サンプル
出典：日本電気硝子調べ（https://www.neg.co.jp/products/firelite/index.html）

まとめ

今回の調査から、災害への不安は高いものの、火災リスクや窓の防火性能に対する認知が十分でないことが明らかになりました。不動産の観点からも、住宅購入や賃貸契約の際に「立地」「間取り」「価格」といった条件だけでなく、「窓や建材の防火性能」という観点を加えることが今後重要になると考えられます。
「防災の日」を契機に、“逃げる準備”だけでなく“火を入れない・広げない”という新たな視点から、防災対策を再点検してみることが求められます。