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国内初 賃貸マンションの修繕費を経費化できる共済を販売 建物の老朽化を防ぐ「大規模修繕」を確実に実施するために

国内初 賃貸マンションの修繕費を経費化できる共済を販売 建物の老朽化を防ぐ「大規模修繕」を確実に実施するために

全国賃貸管理ビジネス協会は、2021年に国土交通省の認可を受けて全国賃貸住宅修繕共済協同組合を設立し、翌年に国内初となる「賃貸住宅修繕共済」の販売を開始しました。現在、この取り扱い代理店(管理会社)を募集しています。本共済を利用することで、修繕積立金を共済掛金として経費計上することが可能となり、賃貸物件の計画的な大規模修繕の普及が期待されています。

現代のマンションが抱える問題

国土交通省のウェブサイト(参考資料)によると、日本には約686万戸のマンションストックがあり、今後20年以内に築40年以上の高経年マンションは約425万戸に急増すると予測されています。日本では「老朽化」と「修繕費不足」の問題が深刻化しています。特に、マンション所有者の高齢化による支払い能力の低下や修繕計画の見通しの悪さが指摘されています。

大規模修繕の前提となるのは長期修繕計画です。修繕計画を立てずに経年劣化が顕在化してからの修繕では、入居者に被害を与えるだけでなく、より大掛かりな工事となるため費用が増加します。国交省の『長期修繕計画作成ガイドライン』では、12年~15年周期で外壁の塗装や屋上防水などを伴う大規模修繕工事を推奨しています。

分譲マンションでは、区分所有者が管理組合へ修繕費を積み立てる仕組みが制度化されていますが、賃貸マンションには管理組合が存在せず、修繕計画や資金の確保はオーナーにゆだねられています。将来の大規模修繕に備えて貯めた資金も必要経費として認められないため、賃貸マンションの方が修繕費を貯めづらい現状があります。民間賃貸住宅オーナーを対象にしたアンケート調査(「賃貸住宅市場の動向と将来予測(展望)調査[報告書]」一般財団法人住宅改良開発公社(令和2年12月))によると、築25年以上の物件でも「大規模修繕を実施したことがない」という回答が半数を占めるほど、大規模修繕が賃貸住宅に浸透していないことが分かります。

「賃貸住宅修繕共済」の役割

このような状況を受けて、賃貸住宅のオーナーが修繕工事費用を計画的に備えることを目的に「賃貸住宅修繕共済」が誕生しました。この共済制度は、賃貸住宅の修繕積立金を共済掛金として経費計上できる国内唯一の制度であり、オーナーにとって大規模修繕に備えた資金確保のハードルを軽減します。本共済を活用することで修繕が確実に実施され、賃貸住宅ストックの長寿命化が期待されます。また、共済掛金の支払い条件として年1回の建物定期点検を義務付けており、不具合を早期発見できるというメリットもあります。

今後の展望

2023年10月に本共済は修繕範囲の対象を拡大し、全共用部が対象に加わりました。これにより本格的に販売が開始され、当初は正会員に限られていた取り扱い代理店の規制も緩和されました。今年3月からは大手管理会社が参加できるようになり、さらに普及が見込まれています。今年4月からは契約事務手数料が代理店(不動産管理会社)へ還元されるようになり、管理会社からオーナーへの提案が活発化することが期待されます。

現在、「室内水回り内装設備」や「解体工事」にも拡充を図るよう国に要望しており、実現に向けた検討が進められています。「賃貸住宅の計画修繕」の普及を促すことは、当協会のみならず、賃貸管理業界全体にとっても大きな意義があります。より多くの管理会社が本共済を取り扱い、オーナーに提案することで、賃貸住宅における大規模修繕が一般的になることを目指しています。


まとめ

本共済制度は、賃貸物件のオーナーが抱える修繕費用の課題を解決する画期的な制度です。修繕計画を持たないまま経年劣化が進行すると、入居者の生活に影響を及ぼすだけでなく、緊急性を伴う修繕が必要となり、コストがかさむリスクも高まります。本共済を活用することで、計画的な修繕が可能となり、オーナーの負担が軽減されるとともに、入居者にとっても安心できる住環境が提供されます。

今後、多くの管理会社がこの共済制度を導入し、オーナーに提案することで、賃貸住宅の修繕計画が浸透し、賃貸物件の質が向上することを期待しています。これにより、賃貸市場全体の活性化にも寄与することでしょう。

※画像参照:PR TIMES

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