<ニュース概要>
株式会社fantasistaは、宅地開発における初期計画段階の区割り作成や造成費用の見積りを、わずか20秒で自動算出できるAIツール「造成くん.AI」の正式版を、2025年6月25日より提供開始しました。
◆「造成くん.AI」開発の背景と目的
「2024年問題」により、建設業界では、働き方改革への対応・就労人口の減少や高齢化の対策として、業務の効率化・省力化が課題となっており、そうした状況の中、宅地開発現場でも、迅速な意思決定に必要な土地利用計画(区割り)と、高精度な工事費概算算出が強く求められています。
このような背景のもと、株式会社fantasistaは、2024年1月に試用版として「造成くん.AI」を先行リリース。ユーザーのフィードバックをもとに、AIの予測精度や操作性の改良を重ね、このたび正式版としての提供に至りました。
◆「造成くん.AI」の概要と効果
名称 | 造成くん.AI |
---|---|
製品内容 | AI技術を活用し、宅地造成の初期計画段階における意思決定を支援する業務効率化アプリケーション |
サービス開始日 | 2025年6月25日 |
公式WEBサイト | https://zouseikun.fantasista-tokyo.jp/ |
「造成くん.AI」は、土地情報を入力するだけで、最適な区画割と造成費用をAIが自動計算。これにより、従来は数週間かかっていた作業をわずか数分で完了できるようになります。

◆導入効果(業務時間の削減効果)
作業内容 | 従来の所要時間 | 造成くん.AI | 削減率 |
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開発プラン作成 | 約7日/件 | 約30分/件 | 約99% |
費用概算 | 約30日/件 | 即時 | 約99% |
複数案の比較検討 | 約14日/件 | 約30分/件 | 約99% |
合計 | 約51日/件 | 約60分/件 | 約99% |
この自動化により、年間500件の案件を処理する場合、約297日分の作業が削減でき、外注費や人件費の削減効果は年間2,500万円超、加えて収益機会の増加による収益向上効果は約3,000万円と試算されています。
※上記はあくまで自社による試算であり、実際の効果を保証するものではありません。
◆プロジェクトマネージャー
社名 | 株式会社ターミナルホールディングス |
本社所在地 | 神奈川県横浜市中区相生町1-17-1 |
代表者 | 代表取締役 新山 希 |
◆今後の展開と方針
同社は今後も、AI性能のさらなる向上とサービス領域の拡大に取り組む方針を示しています。少量の情報からでも、より高精度かつ迅速に意思決定を支援する仕組みを追求し、業界全体の課題解決を目指すとしています。
◆まとめ
土地仕入れの要とも言える造成計画と概算費用の算出が、AIによって瞬時に行える時代が到来しました。人的リソースが限られる中、こうしたツールが現場の判断スピードを高め、無駄な外注費を削減することは、特に中小規模の不動産開発会社にとって大きな武器となりそうです。AIによる「業務の見える化」と「判断の高速化」は、今後の土地開発におけるスタンダードになっていくのではないでしょうか。
※画像参照:PR TIMES