【groove agent】戸建て空き家利活用への新たな挑戦 買取再販事業のC9と共に次なるステージへ
<ニュース概要>
不動産仲介からリノベーション設計・施工までを一貫して行うサービス「ゼロリノベ」や、不動産ポータルサイト「スムナラ」を展開する株式会社groove agentは、2025年4月30日付でC9株式会社との提携を発表しました。今後は両社が一体となった運営体制を構築し、空き家再生を軸とした新たな戸建てリノベーション事業を推進していくとしています。

戸建て購入希望者と空き家再生、両方のニーズを捉える
東京都内の賃料は過去3年間で約11%上昇(※1)しており、賃貸に住み続けることに不安を感じた消費者の間では住宅購入の検討が進んでいます。しかし、新築物件の価格高騰(※2)が障壁となっており、代替手段として中古物件の購入とリノベーションに注目が集まっています。
groove agentではこれまでに中古マンションのリノベーションで多くの実績を積んできましたが、「手が届く戸建てを提供したい」「空き家問題の解決に寄与したい」という考えのもと、戸建て分野への事業拡大を模索してきました。

中古マンション価格推移(出典:東京カンテイ「新築小規模一戸建て住宅平均価格」(※3))
社会課題としての空き家——全国に約900万戸
国の統計によると、現在全国には約900万戸(※4)の空き家が存在し、そのうち約4割が未活用のまま放置されています。特に戸建ての空き家は、放火や老朽化による倒壊リスクが高く、近隣エリアの地価にも悪影響を与えるとされ、大きな社会課題となっています。
こうした状況の中、東京都内でも人気エリアに空き家が点在しており、有効活用できれば“都心で手の届く戸建て暮らし”の実現も可能です。
“買取×リノベ”で空き家を再生、資産に転換
この課題解決のカギとなるのが、新たにパートナーとして迎え入れたC9株式会社です。同社は、他社が手を出さないような傷みや傾きのある空き家を買い取り、資産として再生してきた豊富なノウハウを持っています。
groove agentが提供する「ゼロリノベ」と、C9の再生実績を組み合わせることで、空き家戸建ての「選べる戸建て」化を推進。消費者には高品質かつ自由度の高い設計の戸建てを、希望のエリアで手の届く価格帯で提供することを目指しています。
まとめ
東京都内における住宅取得のハードルが年々上がる一方で、空き家問題も深刻さを増しています。両者は一見別の課題に見えますが、「使われていない家を、求められている家に変える」という発想によって、それぞれの問題解決に一石を投じることが可能です。
今回のgroove agentとC9の提携は、まさにこの転換点における象徴的な動きといえるでしょう。空き家の中には、築年数の経過や傷みを理由に市場価値が見出されてこなかった物件も多く存在します。C9はそうした“難物件”に対しても果敢に取り組んできた実績があり、リスクをチャンスに変えるノウハウを持っています。
そこに、設計・施工の自由度と安心感を備えた「ゼロリノベ」が加わることで、単なる物件再生にとどまらず、“暮らしの再設計”とも言える価値提供が実現します。つまり、単に古い家を直すのではなく、「その人にとって最適な住まいを、身近な価格で提供する」という暮らしの提案になっているのです。
さらに、空き家再生の取り組みは、都市の景観改善や地域の防犯対策、流通不動産の増加といった副次的なメリットも生み出します。人口減少と高齢化が進む今後の日本において、このような「住宅の再編集」の動きは、住宅市場の再構築の一端を担う可能性を秘めています。
今後は、買い手が「中古=不安」という認識を払拭し、積極的に選択肢のひとつとして考える風潮が広がるかがポイントとなりそうです。
- 1LIFULL HOME’S「東京都の住宅価格推移」
- 総務省「令和5年住宅・土地統計調査」
- 東京カンテイ「新築小規模一戸建て住宅平均価格」
- 東京都「東京における空き家施策実施方針」
代表コメント
株式会社groove agent 代表取締役社長 鰭沼 悟 氏
家は、人生を制限するものであってはならない。grooveagentは、「自由」を住まいからつくる会社として、中古流通にも責任を持ちたい。そのためには、都市に眠る空き家に光を当て、住みたい街で手が届く戸建てを提供する必要があると考えます。しかしながら、戸建ての空き家に対して、私たち自身「本当に価値を生み出せるのか」と葛藤した時期もありました。けれど、現場に深く入り込み、丁寧に再生してきたC9の姿勢に出会ったことで、その迷いは挑戦への確信に変わりました。C9は、空き家の傷みにも真摯に向き合い、人の想いごと丁寧にバトンをつなぐ、まさに「誠実な現場主義」の会社です。
これまで私たちは、マンションを中心に「自由ある住まい」の価値を届けてきました。そこに、C9の実践力と地域対応力が加わることで、戸建てという新たなフィールドにもその思想を広げることができると考えています。
今後は、空き家という社会課題に対し、私たちらしい形で本質的な解決を目指します。この挑戦に関わってくださるすべての社員、顧客、そしてパートナーの皆様に心から感謝しながら、これからの街と暮らしに新しい選択肢を届けていきます。
C9株式会社 代表取締役社長 広田 雄大 氏
空き家という存在は、ただの物件ではありません。そこには、かつて暮らしてきた人々の記憶や時間が刻まれています。私たちはこれまで、老朽化や傾きなど「扱いづらい」とされる戸建て空き家にこそ再生の可能性があると捉え、現場に足を運び、手間と時間を惜しまず一軒一軒と向き合ってきました。築年数や外観だけで判断されがちな中古戸建てに、再び暮らしの舞台を生み出すこと。それが、空き家問題の本質的な解決につながると考えています。
こうした中で出会ったのが、groove agentの「自由を住まいからつくる」という思想でした。彼らがこれまで主にマンション領域で実践してきた、本質を捉えた住まいの提案と真摯な姿勢に強く共感し、私たちも今回、力を合わせて次のステージに進む決意を固めました。
私たちが大切にしてきたのは、物件を「売る」「買う」だけで終わらせず、そこに暮らす人の人生や想いまで丁寧に繋ぐこと。groove agentもまた、暮らしの本質に誠実に向き合ってきた理想的なパートナーです。
これからは、両社の強みを活かしながら、「住みたい街で、手の届く戸建てを叶える」という、より大きなビジョンに挑んでいきます。このようなご縁をいただけたことに心から感謝し、私たちを信じて依頼してくださるお客様、そして現場で支えてくれる仲間たちとともに、次の未来をつくってまいります。
PR TIMES
※画像参照:PR TIMES