“再配達ゼロ”のマンションを目指し、管理会社と宅配会社が「マンション内配送サービス」の実証実験を開始!物流業界における2024年問題への対応、マンション居住者の利便性向上を目指す
<ニュース概要>
大和ハウスグループの大和ライフネクスト株式会社は、物流業界で深刻化するラストワンマイル問題に対処し、マンション居住者の利便性向上を目指す「マンション内配送サービス」の実証実験を、2024年11月11日から開始しました。日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の協力のもと、東京都中央区の約200戸の分譲マンションで行われます。
背景
EC市場の拡大により、宅配便の取り扱い件数は年間約50億件に増加。一方で、CO2排出量の増加やドライバー不足を招く「再配達」は深刻な社会課題となっています。2023年に関係閣僚会議で取りまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」では、2024年度中に再配達率6%を目標としていますが、2023年4月時点では10.4%と、目標達成にはさらなる取り組みが必要です。
※参考:国土交通省HP(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/re_delivery_reduce.html)
マンションでは宅配ボックスや置き配など再配達削減の対策が取られていますが、宅配ボックスの満杯やセキュリティの都合により再配達が生じるケースも多いです。加えて、居住者が配達待機時間や宅配ボックスの不足に不便を感じることもあります。
実証実験の「マンション内配送サービス」概要
このサービスでは、宅配会社の荷物をマンション管理員が一括で受け取り、専用倉庫で一時保管します。その後、管理員が各住戸に荷物を配達。受取人が不在の場合は、宅配ボックスや置き配を活用して、再配達率の削減と配送の効率化を図ります。さらに、それでも配達できなかった荷物は管理事務室で一時保管され、居住者が管理員の業務時間内でいつでも受け取れる仕組みです。
一部の荷物(冷蔵・冷凍、代引き、貴重品など)は対象外ですが、管理員が日常的に関わることで居住者は安心して荷物を受け取ることができ、複数の宅配会社からの荷物を一度に受け取れる利便性も向上します。
配送管理アプリの導入(開発中)
管理員は、大和ハウスグループのモノプラス株式会社と開発中の専用アプリを使用し「宅配会社からの荷物の受け取り」および「居住者への荷物の配達」の記録を行います。
本実証実験の目的
- 宅配会社:荷物の一括配送により配送の効率化と再配達の削減を目指します。
- 居住者:管理員が荷物を配達することで、安心感と受け取りのスムーズさが増し、再配達の負担が軽減されます。
- マンション管理会社:居住者の利便性を向上させ、管理サービスの付加価値を高める新たなサービスモデルを提供します。
まとめ
物流業界とマンション管理が連携し、住まいと配送の課題を同時に解決しようとする「マンション内配送サービス」は、非常に革新的な試みです。再配達削減によりCO2削減と業界負担軽減が期待され、居住者にとっても快適な生活環境が提供される点が魅力的です。再配達削減と効率的な配送は、今後のマンション管理の標準的なサービスとして根付く可能性があり、物流・不動産業界における新たなモデルとして期待されます。
※画像参照:PR TIMES