東京23区中古マンションの築年数別反響をLIFULL HOME’Sが調査
<ニュース概要>
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」は、東京23区の中古マンションについて、築年数別の反響割合を調査しました。
その結果、2018年には25.5%だった築41年以上の築古物件の反響割合が、2026年には約半分となる49.1%まで拡大していることが分かりました。
築41年以上の中古マンションで反響シェアの約半分を占める
LIFULL HOME’Sに掲載された中古マンションについて、掲載割合と反響割合を築年数別に調査しました。
ユーザーからの「反響(問合せ)」のシェアを見ると、掲載割合では6~8%で横ばい傾向だった「築51年~」の物件が、2018年から2026年にかけて約5.7倍(3.9%→22.2%)に高まっています。
また、「築41〜50年」の物件の反響シェア(26.9%)を合わせると、「築41年以上」の物件で反響シェアの約半分(49.1%)を占めるまでシェアが高まっていることが分かりました。

一方で、「掲載シェア」を見ると、「築41年以上」の築古物件のシェアは多少拡大しつつも、2026年では18.3%にとどまっています。
反響シェアの49.1%とは差がある状況です。

築浅マンションの価格高騰
近年、資材価格の上昇、人件費の高騰、都心エリアの地価上昇などを背景に、新築マンション価格は上昇しています。
新築マンションの価格上昇に連動する形で、都心の中古マンション、特に新築の代替となる築浅マンションの需要も高まり、価格上昇につながっています。
LIFULL HOME’Sに掲載された中古マンションの掲載価格を2018年と2026年で比較すると、築年数が浅い物件ほど上昇率が高い傾向が見られました。
| 築年数 | 2018年平均掲載価格 | 2026年平均掲載価格 | 上昇率 |
| ~5年 | 7,351万円 | 1億9,387万円 | 263.7% |
| 6~10年 | 6,141万円 | 1億5,631万円 | 254.5% |
| 11~20年 | 5,618万円 | 1億5,872万円 | 282.5% |
| 21~30年 | 4,462万円 | 1億1,564万円 | 259.2% |
| 31年~40年 | 3,757万円 | 7,358万円 | 195.8% |
| 41年~50年 | 3,359万円 | 6,088万円 | 181.2% |
| 51年~ | 3,404万円 | 5,602万円 | 164.6% |


まとめ
東京23区の中古マンション市場では、「新しい物件ほど選ばれやすい」という単純な見方だけでは捉えきれない変化が起きているように感じます。
築浅マンションの価格が上昇するなかで、購入希望者は築年数だけで判断するのではなく、立地、広さ、価格、管理状態、リノベーションの可能性などを含めて、より現実的に住まいを選ぶようになっています。
特に築41年以上の物件で反響シェアが高まっていることは、築古マンションが「古いから選ばれにくい」という存在ではなく、条件次第では十分に検討対象になることを示しています。
今後の中古マンション選びでは、築年数だけでなく、建物の管理状況や修繕履歴、室内の状態、将来的な住みやすさまで含めて見ることがより大切になりそうです。価格高騰が続くなかで、築古物件は住まい選びの選択肢を広げる存在として、さらに注目されていくと感じます。
解説:LIFULL HOME’S総研 中山登志朗 氏
物件価格が高騰すると「どの条件を譲るか」が購入時の大きなポイントに
東京23区のマンションは、コロナ明けの2023年以降新築・中古とも価格の顕著な上昇が続いてきました。2026年にイラン情勢の影響を受けてナフサショックが発生し、新築マンションは供給の先行き不透明感が漂っていますが、中古マンションは過熱感が極めて強い一部エリアを除いて需給は引き締まっており、依然堅調に推移しています。
表の通り、東京23区の築5年以内の中古マンション平均価格は2億円弱、築10年および20年以内でも1.5億円超ですから、実需層が購入可能な価格を大きく上回る状況が続いていることは明らかです。このような状況下では、予算内で購入するため中古マンションの購入条件のうち何を譲るか検討せざるを得ませんが、少なくとも生活・交通利便性が共に高い東京23区内に限定すれば、あとは専有面積を縮小するか、築年数の進んだ物件を購入するしかほぼ方法がありません。
調査の結果、築年数については東京23区では2025年および2026年上半期において、築40年以内と築41年以上がほぼ半々という反響シェアに達していることがわかりました。それだけ築古マンションへのニーズも(選択の余地なく)高まっているということですが、築41年以上50年以内の平均価格は6,088万円、51年以上でも5,602万円と決して安価とは言えない水準です。
ただし、築古マンションが注目されるのは、流通価格が相対的に安価というだけではありません。1970年代、80年代に分譲されたマンションは、駅前&駅近など好立地で生活・交通利便性が特に高いケースがあります。
また、現在はリフォーム技術が大変発達しているため、専有部分は窓や玄関ドアなどを除いて新築並みのクオリティを引き上げることができます。さらに、法定耐用年数が相応に経過しているので、固定資産税を新築時の最大20%程度まで削減できるのもメリットです。仮に、管理組合で建て替え決議があれば、事業に積極参加することによって購入した物件のバリューアップも実現する可能性があります。
ただ、管理費や修繕積立金が大幅に引き上げられているケースもあるので、築年数だけでなく、付随する購入条件もしっかり確認することが必要です。その意味では一棟丸ごとフル・リノベーションされている物件を購入するのが比較的安心・安全な築古マンションの購入方法です。
LIFULL HOME’S総研 副所長 / チーフアナリスト
中山 登志朗 氏(なかやま としあき)出版社を経て、 1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。2014年9月にLIFULL HOME’S総研副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都などの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。
調査概要
集計対象:LIFULL HOME’Sで掲載された東京23区の中古マンション(駅徒歩10分以内、専有面積30㎡未満の物件・リノベ済み物件・異常値は除外)
集計期間:2020年~2026年6月まで
※画像参照:PR TIMES



















