地震大国なのに無対策が半数。2人に1人が何もしていない自宅の防災意識
<ニュース概要>
株式会社NEXERとパナソニック アーキスケルトンデザイン株式会社は、2025年10月29日~11月5日にかけて全国の男女500名を対象に「自宅の防災意識」に関するアンケート調査を実施し、その結果を公開しました。
(引用元:株式会社NEXERとパナソニック アーキスケルトンデザイン株式会社による調査
パナソニック アーキスケルトンデザイン株式会社
該当記事:https://panasonic.co.jp/phs/pasd/knowledge/archives/page-rp2.html)
■地震対策用語の認知度に大きな差 約2割は「どれも知らない」

調査では、地震対策に関する用語の認知度を質問。
最も認知が高かったのは「耐震」で約8割に達した一方、「免震」は5割、「制震」は2割と、専門性の高い用語ほど認知度が大きく低下していることが分かりました。
さらに、約2割の回答者が「どれも知らない」と答えており、住宅の防災性能に関する知識がまだ十分に浸透していない現状が浮き彫りとなりました。
その一方で、建物の揺れを吸収・減衰させる「制震ダンパー」については16.6%が認知。きっかけとしてはテレビの報道のほか、住宅購入のための情報収集、モデルルーム見学、さらには台北101やサンシャインシティで実物を見たという声もありました。
■「自宅では何もしていない」が48.8% 命を守る初期対策が中心

自宅で実施している地震対策を尋ねたところ、最も多かった回答は「特に何もしていない」で48.8%。地震大国でありながら、約半数が無対策という結果となりました。
対策を行っている層では、
- 非常用持ち出し袋・備蓄
- 家具・家電の固定
といった“初期対応”が中心であり、建物の耐震補強や耐震性の高い住宅といった本格的な対策は少数にとどまりました。
最も重視している対策については、「備蓄」「家具固定」が上位を占め、いずれも“まず命を守る”という意識が強いことがうかがえます。

■対策をしない理由「お金の問題」が最多
「特に何もしていない」と回答した人の理由として、
- 経済的な余裕がない
- 必要だと頭では分かっていても、費用がかかる対策は踏み切れない
といった“コスト負担”が障壁になっていることが明らかになりました。
一方で、地震保険を重視する声も多く、
「命が助かっても、その後の生活を守るために必要」
と、金銭面のリスクに備える意見も見られました。
■24%が「今後取り入れたい地震対策あり」 電力確保や二次被害対策が増加傾向

今後取り入れてみたい対策が「ある」と答えた人は24%。
具体的には以下のような声がありました。
- ポータブル電源
- 携帯用トイレ
- 窓ガラスの飛散防止シート
- 太陽光発電・蓄電池
- 避難用の家をもう一軒確保したい
停電への備えや二次被害の軽減を重視する傾向が強まっており、防災意識の広がりを感じさせる内容となっています。
今回の調査では、「耐震」「免震」「制震」といった専門用語の認知には大きな差があること、また自宅の防災対策については約半数が“無対策”である現状が明らかになりました。
一方で、対策を行っている層は備蓄や家具固定などの“命を守る初期行動”を重視し、さらに今後の備えとして電力確保や飛散防止など具体的な対策を検討する声も一定数見られています。
■まとめ
日本では大きな地震がいつ起きてもおかしくない一方で、今回の調査結果からは「知識不足」と「費用負担」が大きな課題になっていることが見えてきました。
不動産業界としても、耐震・制震・免震といった性能の違いや、費用を抑えてできる対策の紹介など、より分かりやすい情報発信が求められていると感じます。
特に賃貸住宅や中古住宅では、「どこまで備えられているのか」「追加でできる対策は何か」といった情報が住まい選びに直結します。
今後は、専門知識を一般利用者へ“伝わる形で届ける”取り組みがより重要になるのではないでしょうか。
不動産ニュースとして、今後もこうした防災・耐震に関するデータは注目していきたいと思います。
※画像参照:PR TIMES



















