<ニュース概要>
株式会社LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」は、人気路線からちょいずらしのお得な駅について調査結果を発表しました。
賃料・価格高騰の中で注目される「ずらし駅」
LIFULL HOME’Sのマーケットレポート(2025年1月版)によると、賃料や中古マンションの価格は上昇傾向にあるものの、問い合わせ賃料・価格はほぼ横ばいとなっています。これにより、住まいにかける費用を増やすのが難しい状況が浮き彫りとなっています。
この背景から、人気のあるターミナル駅や急行停車駅に近い「ずらし駅」への関心が高まっています。LIFULL HOME’Sでは、こうしたトレンドを受け、人気路線においてコストパフォーマンスの良い「お得な駅」を調査しました。
- ※ターミナル駅に乗換なしでアクセスできて 家賃が安い駅ランキング(首都圏編)https://lifull.com/news/33187/
- 各駅停車しか停まらないのに人気の駅ランキング(シングル編)https://lifull.com/news/34557/
- 各駅停車しか停まらないのに人気の駅ランキング(ファミリー編)https://lifull.com/news/34539/
人気路線ランキング
都内停車駅の賃貸物件平均問い合わせ数を路線別に算出し、多い順にランキング化したところ、以下の結果となりました。
- つくばエクスプレス
- JR総武線(各駅停車)
- JR常磐線(各駅停車)
- JR中央線
- JR横浜線
1位となった「つくばエクスプレス」は、秋葉原とつくばを最速45分で結ぶ首都圏新都市鉄道の路線です。筑波大学や筑波宇宙センター、産業技術総合研究所など学園都市の名に恥じない科学系スポットが点在する『つくば』や『流山おおたかの森』、ターミナル駅『北千住』など、都心アクセスと住環境のバランスが取れたエリアを結んでいることが、人気の要因と考えられます。
2位の「JR総武線(各駅停車)」は、『秋葉原』や『新宿』に直通できる利便性の高さから、幅広い層に支持されています。
3位の「JR常磐線(各駅停車)」は、東京都足立区の『綾瀬』から茨城県『取手』までを結ぶ路線で、東京メトロ千代田線との直通運転により、『大手町』や『表参道』へのアクセスの良さが魅力です。
まとめ
今後も賃料や物件価格の高騰が続く中で、「ずらし駅」に対する需要はさらに増していくと予想されます。住まい選びにおいて、交通利便性と価格のバランスを重視する動きが加速していることが明らかとなりました。
本調査結果は、今後の不動産市場における重要な指標のひとつとして注目されるでしょう。

人気路線からちょいずらしのお得な駅3選
都心・郊外を問わず居住ニーズの高い人気路線沿線ですが、都心を離れると人気路線上にあるか否かで賃料にわかりやすく差が出てきます。しかし、人気路線から少し“ずらす”ことで、賃料相場は比較的抑えられます。そこで、人気路線ランキングの上位にランクインした路線と交わる路線の賃料を調査し、おすすめ駅をピックアップしました。
1.「つくばエクスプレス」のずらし駅:『初石』『豊四季』(東武野田線)
自然の多い環境や充実した子育て支援でファミリー層の人気を集める『流山おおたかの森』は平均賃料が117,687円となっています。
人気路線の「つくばエクスプレス」の1駅隣、『柏の葉キャンパス』は平均賃料112,841円の一方で、流山おおたかの森駅で交わる東武野田線で1駅の『初石』は75,977円、『豊四季』は79,819円と、それぞれ3万円以上安価になっています。
東武野田線は流山おおたかの森駅のほか、大宮駅、柏駅、船橋駅などで東京から放射状に伸びる各線と接続しており、東京都内への通勤・通学にも便利です。
2.「JR総武線」のずらし駅:『船橋法典』(JR武蔵野線)、『東海神』(東葉高速鉄道)
「JR総武線」以外にも武蔵野線や東西線などが乗り入れ、秋葉原駅、大手町駅、飯田橋駅にもダイレクトアクセスできる千葉県屈指のターミナル駅『西船橋』の平均賃料は85,420円です。
人気路線である「JR総武線」の1駅隣、『船橋』は平均賃料80,553円の一方で、西船橋駅で交わるJR武蔵野線で1駅の『船橋法典』は78,640円、東葉高速鉄道で1駅の『東海神』は77,428円といずれもJR総武線より相場が低くなっています。
東葉高速鉄道は東京メトロ東西線と相互乗り入れを行っており、都心へのアクセスに便利。武蔵野線は東京方面のほか「幕張新都心」や「舞浜」などのベイエリアへのアクセスも良好です。
3.「JR常磐線」のずらし駅:『上本郷』(新京成線)
常磐線の快速も停まることから人気を集める『松戸』の平均賃料は76,795円です。
人気路線である「JR常磐線」の1駅隣、『北松戸』の平均賃料は70,494円ですが、松戸が起点の新京成線で1駅隣の『上本郷』は平均賃料66,832円と、お得な相場感となっています。
新京成線は、京成津田沼駅~松戸駅間を運行する鉄道ですが、運営会社の合併に伴い、2025年4月からは京成電鉄「松戸線」に生まれ変わります。
LIFULL HOME’S PRESS編集部 渋谷雄大(しぶや たけひろ) 氏考察
東京や大阪の都心を中心に募集家賃の相場が上昇するなか、ユーザーが問合せる物件の家賃相場は上がっておらず、供給とニーズの乖離拡大が続いています。これは、物価の上昇や実質賃金の停滞を背景に、住居費を上げられない消費者のお財布事情が表れているものと思われます。そんななか2024年頃より、比較的家賃相場の高い人気駅を避け、やや家賃相場の下がる近隣の駅を選ぶユーザーの動きが目立ってきています。LIFULL HOME’Sではこのトレンドを「ずらし駅」と名付け、これまで「拠点駅からずらす」「急行停車駅からずらす」といった“ずらしテクニック”を紹介してきました。今回は、その第三弾として「人気路線からずらす」ことで、拠点駅の利便性を一部享受しつつも家賃を抑えるテクニックを紹介しています。都心へのアクセスがよかったり、繁華性の高い街を沿線に抱える路線は、その利便性やイメージから居住ニーズが高く、家賃も比較的高く設定されています。乗換駅や急行停車駅から1駅ずらす場合でも、人気路線上でずらすよりも、やや人気の下がる路線でずらすことで、拠点駅まで1駅という利便性は変わらずに享受しながら、より家賃を抑えることができるというものです。
これまでに紹介した「ずらしテクニック」は、乗り換え回数が増える、列車の本数が減るなど、それぞれ異なる「やや不便になる点」があります。「この街に住みたいけど、高い」と感じたときには、どの不便であれば許容できるか考え、ご自身にあった「ずらしテクニック」を使ってみてください。調査概要
PR TIMES
- 集計対象:LIFULL HOME’Sで登録・公開された居住用賃貸マンション
- 集計期間:2024年1月1日 ~ 2024年12月31日