<住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」×不動産投資情報サービス「健美家」共同実施>不動産投資家と住まい探しユーザーのギャップ調査!人気ギャップがある街は「賃料上昇の少ないお得な街」?
<ニュース概要>
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」と、LIFULLのグループ会社である健美家株式会社が運営する不動産投資情報サイト「健美家」は、不動産投資家と住まい探しユーザーの意識の違いに着目し、共同での調査結果を発表しました。
この調査は、「LIFULL HOME’S」が保有する賃貸物件に関するデータと、「健美家」が取り扱う投資用物件(主に一棟アパート・一棟マンション・区分マンション)のデータをもとに実施されたもので、引越しを検討するユーザーと一般的な不動産投資家のニーズの差を明らかにしています。
行政区別人気ギャップランキング:郊外が上位にランクイン
調査では、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)において、LIFULL HOME’Sの賃貸物件反響率と健美家の投資用物件反響率を比較。その差を算出し、投資家に人気が集中しているエリアを「ギャップの大きいエリア」としてランキング化しています。

このランキングで上位に入ったのは、郊外の自治体が多数を占めました。2022年以降は千葉県の茂原市が1位、直近2年では神奈川県の三浦市が2位をキープしています。東京都からは日野市と昭島市のみがランクインしましたが、2024年以降は圏外となりました。
千葉県は2022年まで3~4エリアがランクインしていたものの、近年は2エリアに減少。その分、埼玉県のランクインが増加している傾向にあります。
【平均賃料推移】ギャップランキングの上位エリアは割安かつ賃料上昇の少ないエリア
投資家と住まい探しユーザーの人気ギャップランキングにランクインした1都3県の代表エリアの平均賃料推移を比較しました。

4エリアすべてにおいて都道府県平均と比べると賃料が安価であり、かつ直近6年間の賃料上昇も緩やかであることがわかります。投資用として所有した物件は、価値(=賃料)の上昇も大切ですが、収益の安定性が重視されていることがうかがえます。
【投資用一棟アパート平均価格推移】ギャップランキングの上位エリアは割安かつ価格上昇の少ないエリア
投資家と住まい探しユーザーの人気ギャップランキングにランクインした1都3県の代表エリアの投資用一棟アパートの平均価格推移を比較しました。

こちらにおいても都道府県平均と比べると安価であり、かつ直近6年間の上昇も緩やかなエリアが多くなっています。
不動産投資家にはお手ごろ感のあるエリアが選ばれており、投資家と住まい探しユーザーの人気ギャップランキングの上位は住まい探しユーザーから見ると「賃料上昇の少ないお得な街」とも言い換えることができそうです。
【投資用一棟アパート平均利回り】ギャップランキングの上位エリアは利回りが高く、下落幅の少ないエリア
投資家と住まい探しユーザーの人気ギャップランキングにランクインした1都3県の代表エリアの投資用一棟アパートの平均利回りを比較しました。

物件価格とは反対に、利回りが都道府県平均よりも高く、下落幅の小さいエリアが多くなっています。利回りが高いということは投資用物件の価格は安価な一方で、一定の居住ニーズがある街とも言い換えられます。都心への通勤・通学がなく、安価でのどかでありながら一定の生活利便性を担保した街を探している人にとってはランキング上位のエリアは検討に値しそうです。
まとめ
今回の調査では、投資家と住まい探しユーザーとのニーズの違いが、エリア選定や物件評価にどのように影響を与えているかが明らかになりました。
住まい探しでは「いま」の利便性や快適性が重視される一方で、投資家は「将来的な収益性」や「安定的な賃貸需要」に注目します。そのため、住まい探しユーザーから見ればあまり人気のないエリアが、投資家からは“割安で利回りの高い注目エリア”として評価されるケースも多いようです。
特に郊外で利便性が一定以上確保されている地域は、「住むにも投資するにも悪くない」という可能性を秘めています。これから賃貸を検討する人や不動産投資を始めようとする人にとって、今回の調査結果はエリア選びの新たな視点として参考になるのではないでしょうか。
【LIFULL HOME’S総研 チーフアナリスト 中山登志朗(なかやまとしあき)氏による解説
個人投資家は“ちょっと地味な街”が好み⁉ 高額賃料よりも安定賃料&利回りを重視
今回、初めての試みとして、一般の賃貸ユーザーが物件を探す際に問合せの多かった街(自治体・行政区単位)と、グループ会社の「健美家」が保有する個人投資家からの問合せの多かった街(同)を比較し、“ユーザーが借りたい街”と“個人投資家が貸したい街”に何らか違いがあるのかを検証しました。
一般に、賃貸ユーザーは、会社や学校など頻繁に通う必要がある先にアクセスが良好なエリア、もしくはやや繁華性が高くても生活に便利なエリアを好む傾向があり、両方の利便性と賃料のバランス=コスパやタイパを考慮しながら住みたい街を選択します。一方、賃貸住宅を購入して運用する個人投資家は、限りある予算の中で最も投資効率=利回り収益が高いエリア、空室率が安定して低く賃料推移も安定しているエリアを選ぶ傾向があります。
都心周辺で特に知名度の高いエリアは物件価格も高額であり、データの通り東京都の一棟売りアパートの価格は平均で1.1億円を超えていますから、物件の条件や規模次第で都心では5~10億円の物件も珍しくありません。したがって賃料水準の高さから収益力は担保されていても、空室リスクをどのようにヘッジするかで収益性が期待利回りを下回ってしまう可能性もあります。個人投資家の多くは、ハイリスク・ハイリターンのエリアは避けてミドルリスク・ミドルリターン&ローリスク・ローリターンのエリアを選択することが増える所以です。
今回の調査では、物件価格の高い東京23区や各政令市中心部などはランキングに登場していません。また東京都では昭島市、日野市という郊外の自治体がランクインするのみですし、同様に千葉県では茂原市を筆頭に富里市、銚子市、館山市など、埼玉県では飯能市、東松山市、幸手市、熊谷市などいずれも郊外に位置する自治体がランキング上位に登場しています。7ヵ年に渡ってベスト10を掲出し、最もランキングに登場する延べ数が多かったのは神奈川県の35自治体&行政区で、小田原市や秦野市、伊勢原市など県西部だけでなく横須賀市、三浦市など三浦半島の自治体、横浜市都筑区、保土ヶ谷区といった市内のベッドタウンも登場しており、
- 賃料水準は比較的低いものの安定推移していること
- 一棟売りの物件価格が相対的に安価であること
- 表面利回りが各都県平均よりも2~4%程度上回る水準で推移していること
などが物件およびエリアの選定に際して重視されていることが浮き彫りになっています。
交通&生活利便性はともに賃貸ユーザーの重要視するポイントですが、個人投資家の目線では物件価格と利回りを重視し、利便性などはやや劣後する傾向にあることが明らかになりました。
調査概要
PR TIMES
- 集計対象:LIFULL HOME’Sに掲載された賃貸物件と健美家に掲載された投資用物件
- 集計期間:2019年1月~2025年5月
※画像参照:PR TIMES




















