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実家の空き家化「不安」5割も、7割「備えなし」~「離れて暮らす親に関する意識調査」~

実家の空き家化「不安」5割も、7割「備えなし」~「離れて暮らす親に関する意識調査」~

セコム株式会社は、持ち家に住む親と離れて暮らす全国の30歳〜69歳の男女560人を対象に、「離れて暮らす親に関する意識調査」を2025年10月に実施しました。調査結果からは、防犯や空き家化への不安が広がる一方で、具体的な対策が十分に進んでいない現状が浮き彫りとなりました。

また、背景として総務省が公表した「令和5年 住宅・土地統計調査」では、全国の空き家総数が2018年から5年で約51万戸増加し、2023年時点で約900万戸に達したことが明らかになっています。空き家問題は、防犯や火災リスクの増加による地域の安全性低下など、深刻な社会課題として注目されています。


■1. 実家の防犯対策に「不安」61.0%

調査では、離れて暮らす親の「防犯対策に不安を感じている」と回答した人が61.0%に達しました。「とても感じている」(13.0%)、「やや感じている」(48.0%)を合わせると、6割以上が不安を抱えている状況です。

また、別居する親と直接会う頻度については、「月1回以上」が48.7%と半数近くを占めました。
帰省時に親と話し合いたい内容としては、「健康のこと」(52.9%)、「お金のこと」(38.6%)、「遺産・相続」(36.4%)が上位に挙がり、将来を見据えた話題への関心が高まっていることも確認されました。

【図1】実家の防犯対策における不安

【図2】別居している親と直接会う頻度(n=560)

【図3】帰省した際、親と話しておくべきと


■2. 実家が空き家になることに「不安」50.9%

実家が将来空き家になることに対し、50.9%が「不安」と回答しています。内訳は「とても感じている」(13.8%)と「やや感じている」(37.1%)でした。

不安の内容として最も多かったのは「相続や遺品の処分」(54.7%)、続いて「物の処分や片付け」(53.0%)で、現実的な負担の大きさが目立つ結果となりました。

また「防犯面」(27.4%)、「火災」(21.1%)といったリスクへの不安も一定数あり、空き家の適切な管理・見守りの重要性が示されています。

【図4-1】実家の空き家化に対する不安

【図4-2】実家の空き家化に対する不安要素(複数回答)(n=285)


■3. 空き家化への備え「何もしていない」70.5%

実家が空き家になる可能性への備えを聞いたところ、「何も備えていない」が70.5%と最多でした。7割の人が具体的な対策を講じておらず、問題の先送りが実態として明らかになりました。

対応として考えている方法は「売却する」(33.0%)、「自身や親族が住む」(29.3%)が上位となる一方、「特に考えていない」(24.3%)も一定数いました。

「特に考えていない」理由としては、
1位「親が住んでいるうちは考えたくない」(33.8%)
2位「何から手をつけてよいかわからない」(22.8%)
3位「空き家になるイメージが沸かない」(20.6%)
など、心理的・手続き的なハードルが影響していることが示唆されました。

【図5】実家の空き家化に対する備え(n=560)

【図6-1】実家の空き家化に対して考えている具体的な対応方法(n=560)

【図6-2】実家の空き家化への対応を考えていない理由(複数回答)(n=136)


■まとめ

今回の調査から、空き家問題がより身近な家庭レベルの課題になりつつある実態が明らかになりました。実家の空き家化について「不安はあるものの、具体的対策には着手していない」という傾向は、全国的に増え続ける空き家問題の縮図といえます。

特に相続・遺品整理・物件管理などは、親が元気なうちから話し合っておくことが負担軽減につながると考えられます。また、防犯や火災といったリスクを抑えるためにも、早めの情報収集や専門家への相談が重要になるでしょう。

空き家問題は「いつか考える」ではなく、「今から準備しておく」ことがポイントとなりそうです。

解説 セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰 氏による対策の紹介

近年、凶悪犯罪や侵入事件が増加傾向にあり、離れて暮らす家族の「実家の防犯」への不安が高まっています。巧妙化・多様化する犯罪手口が報道されることも不安の背景にあるのでしょう。親と話しておくべきと考えていることは「健康のこと」(52.9%)が多いようですが、防犯面についても意識的に話題にし「戸締まりの徹底」など基本的な行動を促すことが大切です。特に鍵をかける習慣が薄い家庭では、身近な事件例を共有し防犯意識を高めていただきたいと思います。また、特殊詐欺対策として「留守番電話の活用」など電話口での防御策を話し合うことも効果的です。

さらに今回の調査では、実家の空き家化に対し50.9%が不安を感じながらも、70.5%が「何も備えていない」実態が明らかになりました。空き家は人目に付きにくく、不法投棄や放火、侵入窃盗などの標的になりやすい点が大きな問題です。実際、空き家を狙った侵入窃盗は2023年には約8,200件と前年の2倍に増加しています。防犯の基本は「狙われない家づくり」です。現金は金融機関に預け、貴重品は早期に管理の届く場所へ移しておくほか、定期的な訪問により郵便物や庭木を整理するなどの対策ができるとよいでしょう。また、侵入や火災などを検知して通報できるセキュリティシステムなどを利用して「異変にすぐ気が付ける」環境を整えておくのもひとつです。

今後さらに深刻化が予想される空き家問題に対し、所有者や家族は早めに話し合い、安全対策や活用方法、処分など将来の方針を具体的に決めておくことが安心につながります。

セコムIS研究所
リスクインテリジェンスグループ チーフ研究員・濱田宏彰

シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

サービス・商品 離れて暮らす親御さんを見守るサービス

■セコム・ホームセキュリティ

防犯、火災、非常通報などをオンラインで24時間監視するご家庭向けのセキュリティです。設置したセンサーが侵入や火災など異常を検知するとセコムのコントロールセンターに信号を送信、緊急対処員が駆け付けるため、空き家の安全対策としても有効です。

さらに、スマートフォンを使って、離れた場所からでもご自宅のセキュリティ状況の確認、操作をすることも可能です。

<サービス詳細>

https://www.secom.co.jp/homesecurity

■「セコム防犯・防災ブログ」

防犯、防災などご家庭の安全に役立つ情報をお届けする情報サイトです。セコムIS研究所でリスクマネジメントに関する研究を行う研究員・濱田がモデレーターを務めています。

<ウェブサイト>

https://www.secom.co.jp/homesecurity/bouhan

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